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STEARTH「ステルス」開発インタビュー





世界最高のレーシングブーツを作りたかった

DSC01853.JPGStylmartinで現在でも販売され、世界的に高い評価を得ているレーシングブーツに「SONIC RS」があります。私はこれを超えるレーシングブーツを作ることが出来ないかずっと考えていました。MOTO GPでの活動を通じ、ライダーからレーシングブーツに関する様々なフィードバックがありました。それらの貴重な意見から一つの結論がでたのです。それは、「もう一度レーシングブーツの基本パッケージを考える」ことでした。レーシングブーツに必要な性能とは何か。274_20100411_1.jpegライダーの意図に忠実に動く操作性や、もしもの転倒時に足へのダメージを最小限に抑えること等、多岐にわたるポイントが次々に挙がってきました。それらのポイントを忠実に組み立てる作業が『STEARTH」開発の出発点と言えるでしょう。レーシングマシンも日進月歩で進化しています。レーシングブーツも同じく進化しなければならないと私は考えます。STEARTHの開発でブーツ作りの基本にもう一度立ち返ることができました。新しい発想と技術を用いて世界最高のレーシングブーツを作りたいと私は思っていました。




安全への配慮が最も重要

DSC01859.JPGSTEARTHのかかとには、ヒールショックアブソーバーを装備レーシングブーツにとって最も重要な機能として、ライダーの安全を確保することだと私は思っています。安全対策が施されていなければ、ライダーは安心して走る事が出来ないでしょう。ブーツが出来る役割は小さいかもしれませんが、今考えられる最善の安全対策をSTEARTHはおこなっています。
ハイサイド等の転倒ではライダーが上に飛ばされ、かかとから落ちるケースが良くあります。この際、かかとは粉砕骨折する危険性が非常に高いです。STEARTHではかかとに衝撃を吸収するヒールショックアブソーバーを装備しています。これはかかとに受けた衝撃を吸収し、ダメージを極力減らすための機構です。この構造は市販モデルより先にMOTO GPで使用してるモデルに採用され、安全性の高さが実証されています。
つま先部分は安全靴に似た構造となっています。足先に大きな過重がかかってもつぶれないように強化プラスティックのカップを内蔵しています。意外に知られていませんがレーシングブーツでは、非常に珍しい事なのです。
転倒時に足首がねじれるケースが多くあります。足の怪我の要因でもある、転倒後に起こる足首のねじれを最小限に抑えるためアンチトーショントーションスポイラーを装備しました。STEARTHマニュアル.pdf可動ジョイントのおかげで前後の動きは、滑らかに可動する。STEARTHマニュアル.pdf足首のねじれを防止し、ライディングの妨げにならない動きを実現。












これは足首のねじれを防止するために、ギプスのように足首を固定する方法です。この装備により足首への負担軽減は飛躍的に小さくなりました。スキーブーツにも多く見られる構造です。しかし、この構造は良い事だけではありません。足首の動きを制限するという事は、同時にライディングの動きを制限する事になります。安全性と運動性を両立させる事が非常に難しかったといえます。
STEARTHはこれを両立させるために画期的な機構を採用しました。アンチトーションスポイラーのくるぶしあたりに、可動ジョイントを採用し前後左右の動きを滑らかにし、またねじれ等の動きについては、抑制することを可能にしました。左右の可動量はシムにより調節が可能です。自分にあった可動量を設定できます。これによりストレス無く自由度の高いライディングが可能になりました。




快適なブーツを目指して

レーシングモデルというと快適性より性能を重視する傾向が強いように思います。でもレースのような極DSC01860.JPG可動ジョイントのおかげで前後の動きは、滑らかに可動する。限状態に於いて、快適なアイテムを使用しているという精神的なアドバンテージは非常に大きいでしょう。ブーツの理想型は、履いている事を意識させないブーツではないでしょうか。快適なブーツとは、履き心地が良く、動きやすい、そして長時間使用していても疲れない。当たり前のように聞こえますが、これを改めて見直し、STEARTHに生かしています。
私が初めてSTEARTHに採用した技術としてはエラスティックケブラーがあります。これは高強度のケブーラ素材を布状にし、足首全面の広い範囲とアキレス腱付近の可動部分に使い、今までに無い可動性能を実現しました。

DSC01864.JPGエラスティックケブラーが自由度の高い動きを可能にしました。DSC01865.JPG後ろ方向への動きも飛躍的に向上











収縮性能の高い素材を使用することで、足を圧迫する事無く自然な動きが出来るようになりました。ポジションのきつい車両ではペダル操作をするときに足首の可動範囲が非常に重要となります。従来のブーツでは特に足を下に動かす時、アキレス腱辺りの革の収縮性が十分でないため、動かしにくい事がありました。STEARTHは縮み方向、伸び方向ともによく動くよう設計されています。ペダル操作時の運動性能は飛躍的に向上しています。このように高い運動性能を手に入れたSTEARTHは、フィッティング方法も見直しました。
DSC01861.JPG従来のベルクロタイプで開発を進めましたが、問題が発生しました。それはエラスティックケブラーの可動範囲が広いため、収縮性の無いベルクロ部は動きについてゆけず外れたり、動きを阻害することがありました。エラスティッックケブラーは足にフィット感をもたらしました。
そのため余計なフィッティングパーツを取付けること無く、ふくらはぎのフィッティングだけでブーツを確実に固定できるようになりました。履き心地の向上だけでなく、軽量化にも大きく貢献しています。
STEARTHは足の内側のファスナーを締め、2本のマイクロメトリックベルトで調節するというとてもシンプルな方法で固定する事ができます。
マイクロメトリックベルトは、細く繊細な調整が可能です。ライダーに合ったベストな位置を必ず見つける事ができるでしょう。
ブーツ内の環境も快適性を保つ工夫がされています。すねとかかと付近にエアインテークを装備しています。気温や天候に合わせて調整できるようにシャッターが付いています。外気を積極的にブーツ内部に導入する構造です。ブーツインナーにはメッシュ素材を採用しています。これはスキーやスノーボードシューズにも採用されている素材で、汗をかいてもインナーが貼付きにくいので快適なブーツ内環境をキープできます。ちょっとした事でも改善しなければライダーは快適に走る事ができません。
これらのような小さな積み重ねがSTEARTHの基礎になっている訳です。